「講談は制約があるけど、小説ですと自由に書けました」
その当時、「〇〇女子」という呼び方が流行していた。「女流」と呼ばれる芸人を「女子」と称したのがいい。私も読んだが、主人公の考え方や生き方が、「わかるなあ」と思わせる秀作であった。
「主人公は講談師ではなく、漫談のピン芸人ですが、私の体験がずいぶん入ってます。失敗談が多かったのがよかったのかも」
私は受賞パーティーに出席して祝辞を述べた。茜のパーティーには、真打ち披露、結婚披露宴、受賞パーティーと3度も出ていると。
「3度もありがとうございました。ただ、結婚は失敗に終わってしまいましたが(笑)」
茜は2017年に林家彦いちと離婚した。あえて原因は聞くまい。
「離婚後、会うことはありませんね。今年の正月初席の寄席で、すれ違ったくらいですか(笑)。子供たちはよく会ってるみたいです」 (つづく)
(聞き手・吉川潮)