愛バイクがまさかのエンスト 笹子トンネルで恐怖に怯え続けた俺
そうしているうちに徐々にスピードも落ち気味になっていったのだ……「どうする? どうする?」もう寸前に笹子トンネルが口を開けている。安全策をとるのならトンネルに入る前にバイクを路肩に停止して確認するべきであろう、よーし!! ここは急がば回れで一度停車を! と思った時にはすでに遅し、俺のKAWASAKI W650は山肌にポッカリと口を開けたような笹子トンネルの中にのみ込まれていたのだった……。
「笹子トンネルの長さは大体5キロ弱かあ……これを抜ければ勝沼ICがあるからそこまで、たとえ低速になろうが走り続けよう……」と決心したにもかかわらずエンジンの停止は思いのほか早く訪れたのだった……。
そして、冒頭の恐怖の鉄の塊と化した大型トレーラーとなったのである。笹子トンネル内は2車線なのだが、大型トレーラーとなると隣の車幅が車線いっぱいに近い状態で走行しているのだ。その時、突然目の前に停車しているバイクが出現したら……どのトレーラーも寸前で右側にギリギリ膨らみ、立ち尽くす俺と俺のバイクを避けていくのであった。
トレーラーの運転手も怖かったろうが、左側がトンネルの壁で逃げられない俺はそれから10分間は無力の中、笹子トンネル事故(崩落での死亡)まで思い出し恐怖に怯え続けたのだった……。