選挙中の横並び礼賛報道 まっとうな批判を曲解する安倍応援団は偏向してないか?
安倍元総理が白昼堂々、衆人環視の中で銃撃され、命を落とした。
総理経験者の突然の銃撃死は世界的ニュースだ。その日がそのニュース一色になるのは当然のことだろう。しかし、翌日、翌々日になり、事件の報道から番組の趣旨が安倍氏追悼の方向になり出してから、新聞やテレビの報道に何か違和感を感じるようになった。
亡くなった方の過去を振り返るのは当たり前である。しかも多少肯定的に、いろいろ紆余(うよ)曲折あっても、ある程度目をつぶって良いことだけを伝えるのも「死者をムチ打たない」という日本的な礼儀でもあろう。
しかし安倍氏は政治家であり、未解決な数々の疑惑も何も説明されないままであり、政策の是非も結果が出ていないものもある。それからすればあまりにも礼賛、称賛一辺倒ではなかろうか。いや通常ならそれでもよかったであろうが、事件が起きた2日後に参院選を控えた状況である。追悼特番はじっくりVTRを作って選挙後にしっかり放送すればよかったのではないか。
通常番組も、朝の番組から選挙特番まで、各局とも横並びで追悼番組化していた。安倍氏礼賛は自民党礼賛につながる。「弔い合戦」などという言葉も使われて、結局どの番組も、自民党広報番組の様相を呈していた。選挙前にしてはどうも公平性に欠けるのではないか。BPOはどのように判断するのだろうか。