ビスケットブラザーズの勝因はボケの「意外性と裏切り」を審査員が評価してくれたこと
その結果が、19年「キングオブコント」決勝初進出、20年「上方漫才協会大賞」文芸部門賞、「ytv漫才新人賞」優勝、21年「NHK上方漫才コンテスト」優勝となって表れ、関西のお笑いファンの間ではかなり知られる存在に。さらに着実に実績を重ね、今回の栄冠につながりました。
女装したり、オムツをはいたりとビジュアルは奇抜ですが、ネタのつくりは極めてシンプル。“普通”のツッコミをおかしな“ボケ”が振り回す。ボケの意外性が大きければ大きいほど笑いも大きくなる。
勝因は、この「意外性」と「裏切り」を審査員が評価してくれたことではないでしょうか。私の採点でも、あれほどの高得点はつけませんでしたが、優勝はやはりビスケットブラザーズでした。得点の差は、生で見ているスタジオと画面を通して見ている差が出たものだと思います。
どのコンビにも言えることですが、どれだけギャップの大きなボケがつくり出せるか、つくり出し続けられるかが勝負。
大会終了後の優勝会見でも東京進出を聞かれた際に、その前にまずお世話になったみなさん、育ててくれた大阪に「恩返しがしたいです」と言っていましたが、2人ともにそういう言葉が自然に出てくる人柄だと思います。