著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

川畑泰史は調整役で気遣いの人 お金を入れず渡してしまったご祝儀袋に「スイマセンけど…」

公開日: 更新日:

 数年前からは川畑君自身がNSCの演技の授業も受け持っていて、30年を超えるキャリアがありながら、上からではなく生徒と同じ目線に立って考えてくれる名講師。培ってきたノウハウを優しく、時に厳しく指導してくれています。

 25年以上も前になりますが、川畑君には大失敗をして気を使わせたことがありました。彼が結婚してしばらくたってからのことでした。

「先生、ちょっとよろしいでしょうか?」と神妙な顔で言ってきたので“なんの相談やろう? 川畑君にしては珍しいな”と思いながら「かまへんよ、なんかあったんか?」と尋ねると「言おうかどうしようか、悩んだんですけど、シャレやったら早よ言わなあかんし……」といつもの歯切れよさはなく、もぞもぞしているので「なんやねんな? ハッキリ言うたらええやん」と促すと「言います。先生に頂いた祝儀袋、中、入ってなかったんです。スイマセン」と頭を下げるのです。

 まったく予想もしていなかった言葉に驚いて「ホンマに? マジで? 空やった?」「はい……」。手を合わせて「ごめん! 全然記憶ないわ、失礼しました。奥さんにも謝っといてね」「先生のことなんでひょっとしたらシャレで、入れんのん忘れとってんて、言うて来はるかもしれへんし、言っていいもんか悪いもんか考えてました」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメンテーター「早口すぎて何を言っているのか聞き取れない」ワースト5はこの人たちだ

  2. 2

    巨人が決められないバント、出ない適時打の八方ふさがり

  3. 3

    魔性の女に翻弄された真田広之と手塚理美の離婚

  4. 4

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    悠仁さまは東大志望でも…一般受験生が選ぶなら"定評ある"トンボ研究の大学は?

  3. 8

    高市早苗氏の猛追に旧統一教会が見え隠れ…熱心な信者がXで「サナエ一択」を大拡散

  4. 9

    葉月里緒奈47歳“魔性の女”の現在地 セレブ生活の投稿が性に合っている?

  5. 10

    小泉進次郎氏のトンチンカンが止まらない!「大学に行くのがすべてではない」「改憲はファストパス」まで飛び出す始末