小池栄子は漫画的だからホームコメディーがよく似合う 「コタツがない家」は令和の“渡鬼”か
その一方で《ダメ男たちに心乱されながらも面倒見ちゃうことを美徳のようにとらえるのはいかがなものか》《ダメ男たちをバッサリ切る爽快感があってもいいんじゃないか》なんて声もあるが……。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「この枠で“お仕事ドラマ”“ラブコメ”でもないのは新鮮」と、こう続ける。
「ネット上では《今どきの“渡鬼”(渡る世間は鬼ばかり)》なんて評価もあるようですが、僕は2021年のカンテレ『大豆田とわ子と三人の元夫』や、22年の東海テレビ『おいハンサム‼』に近いものを感じて好きです。いい話や予定調和で終わらせない感じがあって、それがクセになる。
たとえば第1話で万里江が満員のバスで、乗り合わせた学生たちの大きなバッグにぶつかった場面。万里江なら叱りつけてもおかしくないのに、そのままCMに入って、CM明けはまったく別の画面に。そういう投げっぱなしなところがいいリズムを生んでいるし、説明的なセリフがないところで小池さんがいい味を出していますね」
脚本は19年に日本テレビ土曜ドラマ枠で、30分2本立てという形で放送した「俺の話は長い」の金子茂樹氏。この作品で向田邦子賞を受賞した金子脚本への期待も大きい。