桂由美さん追悼秘話「ウエディングドレスは平和の象徴」だった…中学時代に下町大空襲を目撃

公開日: 更新日:

「戦後、下町大空襲って呼ばれる大惨事なんですが、当時私は14歳。皇居そばの共立高等女学校中等部2年生(現在の共立女子中学高校、中学2年に相当)で級長をしていました。自宅は東京の東端、小岩にあり被害はなかったものの、学徒勤労動員先の沖電気・田町工場が気になって仕方ありません。それで、夜が明けてから、母が『危ないから行かないで!』と言うのも振り切って朝7時半ごろに家を出たのです」

 電車は小岩駅から西へ2つ目の平井駅まで。そこから先、亀戸駅、錦糸町駅は焼失しており、やむなく徒歩で両国駅へ向かった。

「黒焦げのマネキンだと思ったのが焼死者だと気がついたのは、途中で丸焼けになった馬が胴体から真っ二つになって、ピンク色の腸がはみ出ているのを目の当たりにしたからです。ゾッとしました。改めて見回すと、焼死体だらけ。怖くて怖くてその場にへたり込んでしまいました。そばの掘割(水路)はもう死体の山ですよ。空襲で炎に包まれて逃げ道がなくなり、みんな飛び込んだのでしょう」

 田町には約4時間がかりで正午前に到着。だが、帰り道を心配した担当の教師に促され、すぐに帰宅した。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神“強制終了”は「事実上の解任」…体調不良で異例の退任会見ナシなど誰も信じない

  2. 2

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  3. 3

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  4. 4

    藤川阪神はヘッド&二軍監督の組閣難航で多難すぎる船出…鳥谷敬氏や赤星憲広氏の招聘は絶望的

  5. 5

    佐々木朗希はトミー・ジョン手術へまっしぐら…メジャースカウトが看破した160キロ右腕の“キズ”

  1. 6

    大谷を苦しめる「ダルビッシュの亡霊」…メッツのデータ分析班が配球パクって徹底対策

  2. 7

    中日・井上新監督が抱える「中田翔」というジレンマ…復活に期待も世代交代の障害になりかねない

  3. 8

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  4. 9

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  5. 10

    二階俊博Jr.vs世耕弘成前参院幹事長…和歌山2区で「裏金」同士の醜悪すぎる罵り合戦【総選挙ルポ】