桂由美さん追悼秘話「ウエディングドレスは平和の象徴」だった…中学時代に下町大空襲を目撃
「『僕は、この世で一番美しいのは花嫁姿だと思っている。毎日、ウエディングドレスに携わっているあなたが羨ましい』。バルマンさんにこうおっしゃっていただき、改めて天職だと感じました。人生で一番輝ける時を新郎新婦と共有できる喜びは、何物にも代えられません」
だからこそ、と桂さんは力を込めてこう話した。
「戦争には、(当事国)それぞれに言い分があるのでしょう。でも、ファッションに関係する人間としては、戦争は絶対に避けてほしい。味方にも敵にも最高の時を迎える花嫁がいて家族もいるわけです。皆、平和で幸せな未来を願っています。だからウエディングドレスというのは平和の象徴だと思って私はデザインしています」
ここ数十年、ウクライナに限らず、パレスチナ、ミャンマー、アフリカ各国など武力紛争は収束するどころかむしろ増加傾向にある。桂さんの平和への真摯な思いが一刻も早く実現することを願ってやまない。 (高鍬真之)