サンドウィッチマン&オードリー人気に共通点 男子校で培われた屈託のない関係性が支持される
“癒やし”生む中年芸人のスタンス
あまり野心がなかったからこそ、押しつけがましい雰囲気がなく、結果的に視聴者にも良い印象を与えることになったのだろう。また2組は男子校の高校に通い、コンビで同じ部活に所属していたことも共通する。男ウケを意識する環境で培われた屈託のない関係性が、現在支持される“仲の良いコンビ”に自然と当てはまったのかもしれない。
日本で指折りの芸人コンビとして活躍する2組だが、彼らは若者に寄せて人気を得るようなことはしない。
サンドウィッチマンの2人は、つい3年前までガラケーを使用していた。富澤に至っては、その後もスマホとガラケーの2台持ち。昨年1月14日放送の「ザ・ラジオショー サタデー」(ニッポン放送)の中で、いよいよガラケーのサービスが終了するとの発表を受けて「最後は見届けたい」と語っていた。
一方の伊達は、2008年から現在までコンスタントにブログ「もういいゼ!」を更新している。前述のラジオ番組の中で、「表に出る人間はSNSとかやめた方がいいよ。気になるんだったら」と語っていたのが印象的だ。タレントに対する誹謗中傷が見られるプラットフォームには手を出さず、ファンと程よい距離を保っているのが伊達らしい。
今年3月に放送された「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)では、LINEの“おじさん構文”に気を付けたいが「どこがおじさんなのかがわからない」との話題で盛り上がっていた。若者におもねるのではなく年相応のスタンスをさらけ出すことが、世間の“癒やし”になっているのではないだろうか。(お笑い研究家・鈴木旭)