旧ジャニーズ性被害者の救済は道半ば…申告者は1000人を突破するも「補償を受けられない」159人
「実に申告数の3分の1以上の補償が停滞しているという状況でもあるのです。また、スマイル社の『事実確認』によって補償対象外とされた方々のなかには、再調査を願い出たり、調停や裁判の準備をしている方も少なくありません。補償通知を受けながらも合意していない方々も、同様です。こうした方々への『救済』『補償』がないがしろにされるようなことはあってはならないと思います」
■「在籍していなかったから性加害もなかった」という論調の押し付け
スマイル社「救済委員会」による補償は算定基準がブラックボックスなら、補償提示額も低く、申告者から不満の声が上がっている。ジャニー氏はジャニーズ事務所所属者だけでなく、それ以外の者にも性加害に及んだが、救済委員会は「在籍」の事実を被害事実確認で重視し、在籍していなかったから性加害もなかったという論調を押し付けているというのだ。これには黙ってられない、承服できないと被害者が怒りを口にするのも当然ではないか。
補償提示額への不満を表明していた「当事者の会」副代表の石丸志門氏(56)は今月、さいたま簡易裁判所で同社との民事調停に臨む。スマイル社から民事調停での交渉を提案されてのもので、調停内容などの進捗を明らかにしていくとしている。それをかたずをのんで見守っている当事者たちが石丸氏に続いていく可能性もあるはずだ。