俳優・篠井英介さんはなぜメルカリにハマったのか?「マイペースでのんびり売買が信条です」
身辺整理のつもりが趣味に
始めたきっかけは年齢です。還暦が近くなった2018年、そろそろ身辺整理をした方がいいな、と考え始めたんです。
私は独身ですから、あの世へ行ったら、後始末は故郷・金沢にいる弟の手を煩わせることになります。もともと物には執着がなくて、あまり物をためこむ方ではないのですが、それでも60年も生きてくれば物はたまります。もしも大量の荷物を遺したまま逝ってしまったら、弟に大変な思いをさせてしまいます。だから、自分の手で少しずつ処分した方がいいな、と考えたのです。
必要ないなら捨てればいいのだけれど、結婚式の引き出物など他人さまからもらった立派な物や、新品の物、ほぼ新品の物などは捨てるにしのびない。誰かに差し上げたくても好みがわからないし、失礼だと受け止められるかもしれません。
そんな話を友人にしたら、「だったらメルカリやヤフオクで売ったらいいんじゃない」と教えてくれました。それまで、自分の持ち物を売買するなんて、ブックオフに古本を持っていくくらいしかしたことがなかったので、「何それ?」と。
不安もありましたけど、メルカリなら名前や住所を相手に知らせず売買できるというではありませんか。それならいいかも、と恐る恐るメルカリのアプリをダウンロードして、使い方を教えてもらい挑戦したのが最初です。
初めに出品したのは、いただき物のコーヒーカップのセット。エルメスのかわいいカップだったのですが、もったいなくて使えなかったんです。意外かもしれませんが、私は100円ショップのマグカップで十分、というタイプなんです(笑)。
出品後は売れるのかな、どうかな、とドキドキしてアプリをちょこちょこ開いて見ていました。閲覧者からアクションがあれば通知がくるので、放置しておいてもいいのですが、ついつい。
すると、私が出品した物を見た方の数--閲覧数や“いいね”マークがついたり、「もう少し値下げしてくれませんか」といったコメントがきたりするんですね。
この、出品者からの一方通行じゃないところが、魅力のひとつじゃないでしょうか。身辺整理のつもりが、新しい趣味になりました。
売れなかった物は、作家物のお茶碗。わかる方にはわかる良い物なのですが、メルカリを使っているのは若い方が多いようだから、ご存じないのかもしれません。