千昌夫は77歳、元気な姿が無性にうれしい…昔の芸能人とメディアの“裏舞台”を明かそう
ややヘベレケの千は「自分も一曲」と持ち歌を披露。酔っているからか、ブレーキを外して全力で歌ったのでマイクは意味をなさず、部屋中が生声の反響で響き渡った。こちらの耳が痛かったほどで、プロの生声を聞き慣れているはずのリポーター陣も驚いていた。
そんな彼はバブル期の大成功でハワイの2棟をはじめ、世界中のリゾート地にホテルを買って「歌う不動産王」とまで言われた。しかし、バブルがはじけると会社はおかしくなり、結局、倒産。その倒産当日も僕の番組だけが千の営業先をつきとめ、ライブ終わりを待っていた。それを知った彼は僕だけを中に入れて話をしてくれた。
「話をできる記者やマスコミの人がいなくなった。若い人ばかりで説明も難しいが、債権者と会う前には話せないんだ」 僕はこう返した。
「じゃあ、質問はしませんから、外のカメラに『今は話せない』と言って車に乗り込んで下さいませんか」
こんな頼み事に応える義務はないが、千は「わかった」とうなずいた。
もっとも、楽屋口から出てきた彼はカメラに深々と頭を下げ、債権者に対するおわびを述べて10分近くも話してくれた。