フジはまさに死に体「余命宣告」された状態だ…危機管理の専門家がバッサリ
さらにフジテレビでは、性暴力の問題だけでなく、その後、会社のトップである社長自らが会社のルールをねじ曲げて隠蔽を図っている。この問題は大きい。これは専門的には「内部統制の限界」と言いますが、トップ自らガバナンス機能を破壊する行為に他ならず、ひとつの会社を破壊するに等しい行為です。
それに他の役員も加担していたわけですから、株主代表訴訟で233億円請求されていると公表されていますが、さらに会社法上の「善管注意義務」も問われ、相当巨額な損害賠償請求をされることになると思います。
会見の後半は、清水社長が出てこられていろいろ説明されていましたが、今回のような再発防止策程度では、ステークホルダーは到底納得できないと思います。もはやそんな簡単な話ではないんです。会社のトップが内部統制の限界を超える行為でガバナンスを崩壊させ、自浄能力が全くないことが露呈した。発表された内容は改革のためのほんの入り口にすぎません。
今回のような「権力とビジネス」「人権侵害」などの問題は、企業が抱えるあらゆるリスクの中で、最上位に分類されるものですが、それに対する認識が甘すぎると言わざるを得ない。会社自体が完全に毒されていて、信頼性を最も失う甚大なリスクなんです。それが調査され公開されているという本当の意味での怖さをわかっていないのではないでしょうか。