元体操選手・タレント池谷直樹さんはアクロバットショー制作・興行の社長に 八面六臂のすさまじい毎日
「ケインに跳び箱を指導したのは僕」
実は、SROを立ち上げたはいいが、最初は出資者に騙され多額の借金を背負ったのだ。
「今も少しずつ返していますよ。でも、まだ残っている。エンタメは一発当たれば大きいけど、それまで地道にがんばっていくしかありません」
稽古場では、20人弱の所属スポーツタレントらが、この4月20日、「綾瀬市オーエンス文化会館」(神奈川県)で幕を開ける公演「マッスルサーカス おもちゃの大冒険」の稽古で汗を流している。体操やバトントワリングなど世界レベルのタレントが多く、稽古を見るだけでもワクワクする。
「彼らの能力はスゴイでしょ。それでも、社会に出たら、それまで積み上げたものを生かして稼ぐ道はほとんどない。彼らのセカンドキャリアの受け皿になりたい。ここで最初は演者でも、ゆくゆくはショービジネスのノウハウを身につけ、羽ばたいていってほしいですね」
さて、静岡県生まれ、大阪市育ちの池谷さんは、兄・幸雄さんの影響で小学校1年生のときに体操を始め、国内トップ選手として活躍。23歳で現役引退後は芸能界へ。99年、「スポーツマンNo.1決定戦」で23段の跳び箱を跳び世界記録を打ち立てるなどして優勝。その後もケイン・コスギと競い、視聴者を楽しませた。
「ケインに跳び箱を指導したのは僕。今もTBSのスポーツ番組の跳び箱の指導は続けています。僕は今は……15段なら跳べるかな(笑)」
(取材・文=中野裕子)
▽池谷直樹(いけたに・なおき) 1973年12月静岡県出身、2歳から大阪で育つ。兄は五輪メダリストの池谷幸雄。清風高校、日体大卒。体操競技を引退後は芸能界へ。スポーツタレントとしてTBS「スポーツマンNo.1決定戦」などで人気を博す。