「処女喪失」は五月みどりさんに書いてくれと頼まれた
オトコには理解しがたい女性特有の悩みや心情にも“タブー”を恐れず斬り込んだ「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)。倉本氏が着想を得たのは、ある女優のひと言だった。
碓井 菊村栄(石坂浩二)が三井路子(五月みどり)から、女性の3つのターニングポイント(処女喪失、男に金で買われる、男を金で買う)を盛り込んだ芝居の台本を依頼される、というエピソードが話題になりました。
倉本 あれなんか、五月(みどり)さんに本当に書いてくれと頼まれた話ですからね。いつぞや聞いて、仰天して。その数日後、たまたまある料理屋のカウンターで飲んでいたら、山田五十鈴さんと一緒になっちゃって、五十鈴さんとは特別親しい間柄ではなかったんですが、この話をしたら、大飲んべえの五十鈴さんのグラスを持つ手が止まっちゃって、「五月さんて、凄い方ねえ」と言った。あれだけ男遍歴の多かった五十鈴さんが驚かれたのは、ものすごく心にしみましたね。
碓井 あれが実話だったとは……。
倉本 実話じゃないとあんなこと、僕、思いつかないですよ。