反社会勢力と切っても切れない関係性 100年超える歴史の膿
だが、だからこそ現在の吉本興業は反社の排除に本気で力を入れてきた。その先頭に立ってきたのが現在のトップである大崎洋会長だ。
近年、吉本では反社絡みのトラブルが多発してきた。2007年には当時副社長だった大崎氏が、創業家の意向を受けたとされる反社勢力に脅迫され、週刊誌を巻き込んだ「お家騒動」に発展している。この騒動も、本質は反社勢力が経営に介入しようとする“要求”を吉本側が突っぱねたために起こったものである。
そこで吉本が取ったのが09年の非上場化という選択だ。当時の吉本は上場廃止の理由を「経営の迅速化のため」としていたが、本音を言えば「反社勢力の完全排除のため」だったことは明らかだ。
今回の騒動でメディアのインタビューに答えた大崎会長は「僕が社長になった当時、社内に反社のような人たちもいた。役員にもいて、身を賭して戦って、やっと追い出したんです」と語っている。はっきり言えば、「社内にいた反社のような人」とは、大量の株を持っていた創業者一族とその派閥のことであり、その先には彼らが過去から深い関係を結んできた反社勢力がいた。「身を賭して戦った」は決して大げさではないのだ。