骨を溶かしやがて脳に達し…「大人の中耳炎」はこんなに怖い
真珠腫による骨の破壊はゆっくりと進むので、症状に気づきにくい人も珍しくない。
「子供時代に中耳炎を何度も起こしたなら、一度耳鼻咽喉科で検査を受けるのもひとつの対抗策です」
■治療法は3タイプ
治療は、“ポケット”が小さければ、耳鼻咽喉科による定期的な掃除や点耳薬などで、耳あかがたまらないようにする。
ポケットが大きければ手術だ。3通りあり、①外耳道を大きく削除する「オープン法」②外耳道をそのままの形で保ち真珠腫を取り除く「クローズ法」③外耳道を削除して真珠腫を取り除き、自家軟骨や骨で外耳道を再建する「外耳道再建型手術」だ。
「真珠腫の取り残しが少しでもあれば再発します。確実に真珠腫を取り除くために①~③の治療法が生まれました。それぞれ一長一短があり、医師によって支持する治療法が違います」
全国でトップクラスの真珠腫性中耳炎の手術数を誇る小島教授は、②のクローズ法を、顕微鏡と内視鏡を用いて行っている。