食後すぐ横になるのは…
昔から「食べてすぐ横になると牛になる」と言われるのは、体に悪いから? 秋津医院の秋津壽男院長に聞きました。
「健康な人なら、むしろ食後に横になるのはお勧めです。そのほうが胃腸に負担がかからず、消化吸収が良くなるからです」
消化には多くのエネルギーが必要なので、食後は安静にして余計なエネルギーを使うべきではないといいます。消化吸収にエネルギーを集中させるという点では、横になって休むのが正解なのです。
「ただし、胃食道逆流症(逆流性食道炎)の人は、食後すぐに横になってはいけません。胃と食道のつなぎ目が緩んだ状態なので、胃の内容物が逆流しやすいのです」
心配な人は、右向きで横になるといいそうです。胃は左から右へカーブしているので、右を下にすれば腸への流れが促進され、食道に逆流しづらいというわけ。
ところで、なぜ「食べてすぐ寝ると牛になる」と言われているのでしょう?
「おそらく『片付けもしないでゴロゴロするのは行儀が悪いよ』という戒めでしょう。あるいは、太りやすいことを注意するためかもしれません」
消化吸収が良い状態になるだけに、ずっと動かなければ「太った牛」になってしまうのも道理。そこで「30分くらい横になった後、動き出せばちょうどいい」と秋津院長は言います。明日の昼休みから、食後30分を「ゴロゴロタイム」にしてみては?