専門家に聞く 末期前立腺がん新治療「ゾーフィゴ」の威力

公開日: 更新日:

「この患者さんはゾーフィゴ投与の3年前から骨病変治療薬であるデノスマブと、低用量ステロイドのプレドニンを継続投与していますが、これまでの経過からゾーフィゴ投与がPSA値を下げたのは明らかです」

■鎮痛+延命効果

 ゾーフィゴはα線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」を含む放射線医薬品。ラジウム-223は骨に集まりやすく、注射で体内に投与すると多くはがんの骨転移巣に運ばれる。そこから放出されるα線によって、骨に転移したがんの増殖を抑える。

 ゾーフィゴが優れているゆえんはその破壊力にある。α線はβ線の7000倍の重量があり、目的物に衝突したときの放射線量は強烈。国際的な臨床試験では、ゾーフィゴを使用した患者は、そうでない患者に比べて生存期間が4カ月延び、30%の死亡リスクの低下が認められている。

「当施設でも『痛みを取る以外に治療法がない』と思われてきた患者さんに生存期間延長の希望が出たわけですから、朗報です。今後はゾーフィゴ治療に力を注いでいくことになるでしょう。前立腺がんは猛烈な勢いで増えており、国立がん研究センターの予想によると、今年中に前立腺がんを新たに患うと予想されている人は9万人余り。ここ10年で2倍以上に増えており、多くの人がその恩恵を受けることになるに違いありません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も