コロナ感染で嗅覚・味覚障害…今後は耳鼻科でも感染リスク
「今年から花粉症になったかな」――。こんな人は、単に鼻が利かなくなっただけじゃないかもしれない。新型コロナウイルスの感染者の症状として、嗅覚障害や味覚障害が世界各地で報告されているからだ。
阪神タイガースの投手・藤浪晋太郎投手(25)は数日前から「においを感じない」と訴えていたが、26日、コロナ感染の有無を調べるPCR検査を受け、陽性が判明した。米NBAで感染が確認されたルディ・ゴベール選手(ジャズ)も療養中に4日間ほど嗅覚を失っていたという。
英国の耳鼻咽喉学会は声明で〈新型コロナウイルスが嗅覚障害を引き起こすことは驚くべきことではない〉と前置きしつつ、〈韓国や中国、イタリアにおいて多数の新型コロナ感染者に嗅覚障害や味覚障害が表れている〉と指摘。嗅覚障害以外の症状が確認されない感染者に関する報告も増えているという。米国の耳鼻咽喉学会も同様の事例が世界各地で報告されているとして、〈新型コロナウイルス感染を調べる際の基準に加えるべき〉と提言している。
症状は単なる鼻づまりよりも深刻だ。ドイツの感染者らを調査した独ボン大学のウイルス学者ヘンドリック・シュトレーク教授は独紙フランクフルター・アルゲマイネのインタビューで、感染者の中に〈子どもの汚れたおむつのにおいが分からなくなった母親〉〈シャンプーのにおいがしなくなった人〉〈食べ物が薄味に感じるようになった人〉らがいたと語っている。