<11>首都直下地震 帰宅困難650万人はどう行動すべきか
熊本地震の被害を見て、「首都直下地震」を想起した人も多いだろう。
大田区付近を震源とするM7・3の地震が起きた場合、最悪のケースでは死者2万3000人、負傷者12万3000人の被害が発生する。これを他人事のように思っている人がほとんどだろうが、東京都の昼間人口1495万人のうちの実に1%。自分がその中に入っている可能性は大だ。
不幸中の幸いでケガがなくて済んでも、次は「帰宅困難」という難問が待ち受ける。
「首都直下地震では、千代田区だけで50万人の帰宅困難者が出ると予想され、首都圏全体では650万人にも上ります。一応、国は企業に対し、従業員1人当たり3日分の食料備蓄を呼びかけていますが、一刻も早く家族の元に帰りたいというのが人情でしょう」(都庁防災関係者)
確かに会社で一夜を過ごし、ゆっくり落ち着いてから帰宅しようと考える人はごくまれだろう。なにしろ、想定では都内全体の5割が停電し、復旧までに1カ月を要する。真っ暗になった自宅で父親の帰りを待つ子どもと妻の姿を想像すれば、這ってでも帰りたいと思うのが人の情だ。