五反田の名店をはしご…「日南」ではさつま白波のお湯割り&ハラミの切り落とし、蘇る先代との思い出
五反田(品川区)③
待ちに待った11月。何を待っていたかって? 牡蠣ですよ、牡蠣!
旬は10月からなんですが、この夏の猛暑でずれ込んだらしく、ほとんどの洋食屋さんは11月から。「カキフライ始めました」の張り紙とともに秋風が吹き、酒も飯もうまくなります。
今日の昼飯は五反田の老舗、名店中の名店「スワチカ」。ここでカキフライとビールじゃ!
五反田は洋食の隠れた名店が多い。東口の路地裏のグリルエフ、だいぶ前に戸越に移転したタイヨー……みな昭和の名店だ。
11時の開店と同時に奥のカウンターに陣取ります。ここは7人ほどのカウンターのみ。もちろんカキフライを注文(ライス、豚汁付きで1400円)。スーパードライの中瓶(600円)も。カキフライが揚がるころにはほぼ満席に。名物メンチカツカレーを頼む若者が2人。その横に常連らしき高齢の男性が「アジフライとメンチカレー用の小さいメンチもつけてよ」。
ここまでくるには相当の年季が必要だ。創業から60年以上。父親に連れられてアタシが初めて来たのは50年ほど前になる。そのころを知っている客は「みんな死んじゃったよ」。アジフライをかじりながら常連さんが話してくれた。食べ終わって外に出れば、若いサラリーマンや学生風が行列をつくっている。君たちの力でこういう店のともしびを消さないようにな。