アラ還は1人前で満腹に 昼間から盛り上がる蒲田の名物「羽付き餃子」の歴史
作家の西村賢太さんも常連だった
東口には昭和初期まで松竹蒲田撮影所があった。あの「銀ちゃ~ん」「ヤス!」でおなじみの蒲田行進曲の舞台である。その跡地に大田区民ホール「アプリコ」が立っている。地下には撮影所の模型が展示されており、しばしその当時の雰囲気に浸ることができる。蒲田は全盛期には10軒以上の映画館があり、その周りに飲食店が立ち並び、大いに潤ったという。残念ながら、今は当時の面影を見ることができない。
腹もこなれてきたところでチューハイでもやるかってわけで、信濃路蒲田店にもぐりこんだ。入り口はどこにでもある立ち食いソバ屋だが、奥に入ると10人ほど座れるカウンターがあり、そこで酒が飲める仕組み。
つまみはソバにのっける揚げ物だけかと思いきや、煮込みに肉じゃが、ハムエッグに焼き魚など普通の居酒屋に引けを取らない。しかも安いとくれば客が来ないわけがない。店長いわく「なかなか一見では入りにくい雰囲気だけど、最近では若い女の子たちが興味津々でのぞきにくる」らしい。
この店は鴬谷に本店があり、作家の故西村賢太さんが常連だったことで有名。アタシはチューハイ(390円)とシラスおろし(150円)でスタート。このチューハイがまた濃いんだ。思わずウインナー炒め(200円)を追加。営業は朝6時20分から夜10時まで。朝起きて世間に背を向けたくなったら、信濃路蒲田店に来るべし。
(藤井優)
○金春 大田区蒲田4-5-6
○信濃路蒲田店 大田区蒲田5-16-8