馳浩知事の発言で再燃の官房機密費 追及が大甘なのはメディアや野党にも“スネ傷”があるから
閣僚たちや野党の有力者が外遊する時の餞別や、首相が買い込む手土産代にも機密費が使われているといわれている。
2019年の参院選に出た河井案里を当選させようと、夫の河井克行衆院議員が金をばらまき、公選法違反で逮捕、有罪になったが、自民党から買収資金1億5000万円が流れていた。
このカネは安倍首相が機密費から出したのではないかと、私は睨んでいる。
官房機密費の正式名称は「内閣官房報償費」。日本の予算制度は単年度主義だから、残れば次の年度に繰り越されるが、報償費が余ったという話はほとんど聞いたことがない。
国民の血税が、官邸のごく一部の人間の「買収費」や「お小遣い」になっているのである。
さらに、領収書も必要とせず、会計検査院の監査も免除されている。
この問題に、野党もメディアも真剣に取り組み、真相を解明しようとしたことがあったか。馳浩の放言をきっかけに、今こそ機密費の闇に斬り込み、廃止に追い込むべきである。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)