上場企業半数「新卒初任給の引き上げ」で生じるひずみ…コロナ後の売り手市場で“腫れ物扱い”問題も

公開日: 更新日:

 ある建設会社の40代マネジャーは「『厳しく指導してください』なんて新人もいますけど、真に受ける管理職はいないでしょう。ぶっちゃけ彼らが言う“厳しい”の加減が分からない。どこまでなら許容できるのか。突然『パワハラだ』と騒ぎ出されても面倒ですし」と本音を漏らす。

“お客さん”というより“腫れ物扱い”らしい。

 生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏が、ある企業を訪問する際に道に迷ってしまい、「行き方を教えてください」と電話をかけた時のこと。受付とおぼしき若い女性は「スマホで調べてください」の一点張り。

 地図アプリで調べても分かりにくい場所にあるから、直接電話で尋ねているのに……。柏木氏がこう言う。

「そこで声を荒らげたらカスタマーハラスメント扱いされかねない時代です。仕方がないので『他の人に電話を代わってください』と“お願い”しましたけど、明らかにトレーニング不足の若手が増えている。今どきはハラスメントの意識が高い常識的な人ほど萎縮したり遠慮しがち、強く言えずに我慢を強いられている。新人の無理が通って上司の道理が引っ込み、ますます育たない。そんな悪循環に陥っているように思います」

 使えない新卒と大して変わらない給料じゃ、まともな社員ほどやっていられないだろう。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース