著者のコラム一覧
多賀一晃生活家電.com主宰

大手メーカーで商品開発、企画を担当後に独立。「生活家電.com」主宰。

(52)冷蔵室を丸ごとチルド化しちゃった! 日立の冷蔵庫に見る驚きの技術力

公開日: 更新日:

 チルド室が冷蔵室最下にあるのは、真下にある冷凍庫の冷気を使うためです。さらに隔離部屋なので、温度以外にもいろいろな挑戦がされてきました。

 ユニークなのは日立の「真空」チルド。「真空」と言っても気圧ゼロではありません。JISの定義では「真空」とは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた状態」。鮮度劣化は酸化が原因。そこで「真空」チルドは、少し空気を抜いてやって酸素分子の数を減らす技術です。

■開ける時の「プシュー」がかっこいい!

 日立の場合は0.8気圧。このチルド室の扉を開ける時が実にかっこいい。「プシュー」と、ガンダムのコックピットが開くような音がする。冷蔵庫が頑張って働いていると感じます。私の「推し音」です。が、これ以上圧力を下げると構造変更が必要になるので、この技術はこれが限界です。

 日立はさらに、チルド室をマイナス1度(特鮮氷温ルーム)、冷蔵室内を2度へとチルド化しまました。断熱技術のレベルが上がり、冷蔵室全体を2度にしても電気代が変わらなくなったからです。肉や魚を冷蔵室のどこに置いてもそれなりに鮮度を保てるのです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…