(23)英語教師の職を捨て“憧れのタクシードライバー”になった同僚の話
だが、お客の反応はまったく逆。それから誰も何も言わなくなったという。目的地の六本木まで気まずい空気が流れ続けていたという。「出しゃばりはダメでした。英語が話せることを鼻にかけているとでも思われたのかも」と彼は悲しげな面持ちだった。そのお客たちは、まさかタクシードライバーに英語のわかる人がいるとは思わなかったのだろう。プライベートな話が筒抜けになって困惑したのかもしれない。
「芸は身を助ける」とはいうが、ときに「芸はアダとなる」こともあるらしい。