インフルエンザの猛威を振り切る「2つの知恵」…感染者数は統計史上最多も肝心の薬は不足
薬不足を克服する切り札は漢方薬の麻黄湯
インフルエンザが拡大する中、沢井製薬は今月7日、抗インフルエンザ薬タミフルのジェネリック薬を一時的に供給停止すると発表。それに先立ち、中外製薬はタミフルを、塩野義製薬はゾフルーザを限定出荷すると発表している。クリニックや薬局によっては、抗インフルエンザ薬を注文しても、入荷しにくい状況だ。国や都道府県は抗インフルエンザ薬を備蓄しているが、その分の放出も検討されているという。
それでなくても、咳止めや解熱剤など一般的な風邪症状に使われる薬は昨年から不足している。インフルエンザの猛威でその不足に拍車がかかると、医療機関も患者も不安が尽きない。何か手はないか。
「あります。インフルエンザをはじめ風邪には、漢方薬のひとつ麻黄湯が効果的です。市販の麻黄湯を常備しておき、熱が出始めたらすぐに服用するといい」
実は、麻黄湯については、抗インフルエンザ薬と比較して、解熱時間が有意に短いとする研究結果と有意差を認めないとする研究結果がどちらもあるが、その意味するところは最低限、抗インフルエンザ薬と同等の効果があるということだ。同等なら用意しておけば安心だろう。
「麻黄湯は、体を強力に温めて発汗を促して免疫を活性化する働きがあるため、感染初期に服用して効いてくると、必ず熱が上がります。その体温上昇を“悪化した”と勘違いして解熱剤を飲むと逆効果ですから、汗で濡れた衣類を着替えながら、そのまま休むことが重要です。そうやって汗が引いてくると、熱が下がり始めて、体が楽になります。感染初期とは、何となく寒けがして、37度くらいの微熱が出てきたようなタイミングです」
インフルエンザシーズンは2月いっぱい続く。しっかり準備して、見えない敵から身を守ろう。