針を刺さない新たなインフルエンザワクチンの使用がスタート
以前、新型コロナワクチンについてお話ししましたが、「インフルエンザワクチン」についても大きなトピックがあります。
昨年3月に製造販売承認され、今シーズンから本格的に使用される「フルミスト点鼻液」です。これは、針を刺さずに鼻に噴霧するタイプの経鼻弱毒生インフルエンザワクチンです。米国では2003年に承認されていて、日本でもようやく使えるようになったのです。
承認されているのは2歳以上19歳未満となっていて、誰でも接種できるわけではありませんが、「針を刺す痛みがない」というのは、特に小児では大きなインパクトがあります。
このワクチンは、弱毒化してあるとはいえ生ワクチンであることにより、もともとの病気のごく軽い症状が副反応として出ることが知られています。
接種後3日目以降から、約30%が鼻炎症状を呈し、咽頭痛や頭痛、発熱などの症状が約10%前後報告されています。
また、飛沫または接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は、従来の不活化インフルエンザHAワクチンの注射が推奨されています。このほか、抗インフルエンザウイルス薬や解熱鎮痛薬などを服用している場合などにも注意事項がありますので、接種を希望される方は、医療機関で説明を受けてから検討されるとよいでしょう。
ちなみにフルミスト点鼻液は、基本的に1シーズンに1回接種とされていて、施設によって異なりますが、1回あたりの金額は8000~1万円程度とのことです。