著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

針を刺さない新たなインフルエンザワクチンの使用がスタート

公開日: 更新日:

 以前、新型コロナワクチンについてお話ししましたが、「インフルエンザワクチン」についても大きなトピックがあります。

 昨年3月に製造販売承認され、今シーズンから本格的に使用される「フルミスト点鼻液」です。これは、針を刺さずに鼻に噴霧するタイプの経鼻弱毒生インフルエンザワクチンです。米国では2003年に承認されていて、日本でもようやく使えるようになったのです。

 承認されているのは2歳以上19歳未満となっていて、誰でも接種できるわけではありませんが、「針を刺す痛みがない」というのは、特に小児では大きなインパクトがあります。

 このワクチンは、弱毒化してあるとはいえ生ワクチンであることにより、もともとの病気のごく軽い症状が副反応として出ることが知られています。

 接種後3日目以降から、約30%が鼻炎症状を呈し、咽頭痛や頭痛、発熱などの症状が約10%前後報告されています。

 また、飛沫または接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は、従来の不活化インフルエンザHAワクチンの注射が推奨されています。このほか、抗インフルエンザウイルス薬や解熱鎮痛薬などを服用している場合などにも注意事項がありますので、接種を希望される方は、医療機関で説明を受けてから検討されるとよいでしょう。

 ちなみにフルミスト点鼻液は、基本的に1シーズンに1回接種とされていて、施設によって異なりますが、1回あたりの金額は8000~1万円程度とのことです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース