財務省解体デモ…記者が現場で見たのは、玉石混交の主張が入り乱れる“カオス”だった
「“真実”を報道すると、いろんなところから圧力がかかる。日刊ゲンダイは大丈夫?」
“オールドメディア”への不満も多く聞かれた。70代女性は、自らの疑念をこう打ち明ける。
「大手新聞やテレビ局の上層部には外国人が入り込んでいるから、報道が規制されているのではないか。このデモだってなかなか報道されなかったし、外国人のせいで国民が本当に必要な情報が報道されてないんじゃないかと思っています」
隣にいた50代男性はその主張に共感したようで、こう付け加えた。
「恐らく、今のオールドメディアの状況はディープステートの暗躍の結果でしょうね。他にも外国人の生活保護など“外国人優遇政策”の実態を考えたら、日本人の弱体化、貧乏化を目的とする人々が政府にいるのではないでしょうか」
こうした会話をすぐそばで聞いていた40代の女性からは、こんな“忠告”が……。
「“真実”を報道すると、いろんなところから圧力がかかるから、記者さんも気を付けてね。日刊ゲンダイは大丈夫?」
少なくとも、本紙がそういった「圧力」をかけられているような実態はないと付け加え、記者はその場を去った。
デモでは実にさまざまな主張が見られた。「移民政策反対」など、外国人排斥を訴えるプラカードも多く見られ「中国、朝鮮は帰れ! いつまで日本に寄生するんじゃ!」というヘイトスピーチを叫ぶ者もいた。30代くらいの男性は「5G、6Gの電波で、人々ががんになるのは明らかなんですよ!」と絶叫していた。
その他にも、政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表もデモに“乱入”した。黒川が「インフレになっちゃった状況で積極財政は間違っている」と訴えると、周囲の参加者が反発し「黙れや! 売名行為やめろ!」などの罵声が飛び交った。
この日は「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が、ナタを持った男に襲われる事件も発生。混沌とした一日だった。
(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)