ウェルビーイングな生き方を探る(下)振り返ってみたときに「あ、これで良かったんだ」という幸福感

公開日: 更新日:

 高まる政治不信に加え、性加害、パワハラがはびこる日本社会。生きづらい時代の中で幸福を追い求めることはできるのか。日本の病の背景とウェルビーイングな生き方の可能性について精神科医の香山リカさんに話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──閉塞的な社会の中で、幸せな生き方とは。

香山 勝ち馬に乗ることによる自己確認では一瞬、なんか脳内麻薬みたいなものがバーッと出て幸福になるみたいな感じを抱くかもしれません。でも、それはまやかしでしかない。そうじゃなくて、振り返ってみた時に「あ、これで良かったんだ」みたいにじんわり思えるのが自分を支えてくれる幸福なんじゃないかと思いますね。

 ──北海道・穂別の診療所で地域の人々の暮らしと向き合われての実感でしょうか。

香山 いろんな方と触れ合う中で、おみとりをする機会もあります。多くの方たちが自分の人生に満足して亡くなっていかれます。ある農家の方は、「私がもしいなくなってもね、今年作付けした果物があるから、それを診療所の人たちで分けてください」という話をされて亡くなりました。その方の顔を見て、人生に満足してるってことがよく分かりました。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    【独自】亀山千広BSフジ社長“台風夜のお色気ホムパ疑惑” 「帰宅指示」を出しながら自分はハイヤーで…

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  1. 6

    明暗分けたメジャーの最新評価…ヤクルト村上宗隆「暴落」、巨人岡本和真は「うなぎ上り」

  2. 7

    中森明菜「奇跡」とも称された復活ステージまでの心技体 「初心を忘れるな」恩師の教え今も…

  3. 8

    フジの朝ワイド「サン!シャイン」8時14分開始の奇策も…テレ朝「モーニングショー」に一蹴され大惨敗

  4. 9

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 10

    セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ