歴史的転換点に立つ大阪市の喫煙規制(2)市たばこ税308億円に対し、分煙施設整備はわずか11億円

公開日: 更新日:

歴史的転換点に立つ 大阪市の喫煙規制<2>

 令和7年1月実施予定の大阪市内全域路上喫煙禁止まで9カ月余り。肝心の分煙施設の整備状況は遅々として進んでいない。市長の公約は新設120カ所。3月末までの新設着工件数は51カ所。残り約70カ所を期限内に整備できるとは到底思えないが、そうした状況下で市当局をはじめ関係者が一縷(いちる)の望みをかけているのが、市の補助制度を活用した民間事業者の喫煙所整備だ。

 3月11日の建設港湾委員会で自民党の石川博紀議員がこんな指摘をしていた。

「喫煙所補助制度には(設置費用だけでなく)賃料も対象に加えるべき。賃料を補助対象としないまま、本当に必要な場所に喫煙所ができるのか疑問です」

■補助制度の拡充は必至、賃料補助もテーマに

 民間事業者の喫煙所設置に対する市の補助制度は、喫煙所設置経費は上限1000万円、地下施設は同2000万円。清掃、設置機器の保守点検、光熱費など維持管理経費として年間上限額144万円となっている。だが、設置エリアとして想定されている鉄道駅周辺や事業所や飲食店などが密集する地域は、当然土地代が高く、自社ビル以外では高額の賃料が発生する。その負担までして喫煙所を設置するのは、民間事業者にとってはハードルが高い。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  2. 2

    シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授

  3. 3

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  4. 4

    斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散

  5. 5

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  1. 6

    兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実

  2. 7

    別の百条委メンバーも兵庫県知事選中に「脅迫された」…自宅前に県外ナンバーの車、不審人物が何度も行き来、クレーム電話ひっきりなし

  3. 8

    悠仁さまの処遇めぐり保護者間で高まる懸念…筑付高は東大推薦入試で公平性を担保できるのか

  4. 9

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末

  5. 10

    異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末