ダイハツ不正問題“延焼”止まらず取引先6084社が大打撃!中小・零細が5割超占める
サプライチェーン企業の売上高は計2.2兆円
東京商工リサーチ(TSR)が20日、ダイハツの取引先調査に関するリポートを発表。それによると、ダイハツと直接もしくは間接の取引がある企業は全国6084社に上る。TSR情報本部の後藤賢治課長がこう言う。
「取引先を資本金別で見ると、1億円以上が31%を占める一方、1000万円以上5000万円未満が最多の41.5%。1000万円未満(12.5%)もあわせると、中小・零細が取引先の5割以上を占めています。生産・出荷の一時停止が長引けば、経営体力の弱い企業ほど大打撃を受けるでしょう。ただでさえ、新型コロナ禍や原材料高の影響で経営体力はそがれています。ダイハツに代わる新たな取引先を見つけようにも、生産・出荷停止の見通しが立たない中では、人員や資金などを振り分けようにも、そんな余裕があるのかどうか」
産業別では取引先のうち製造業(44.3%)が最多に上るが、損失は多様な業種に“延焼”しそうだ。
「例えば、町工場ひとつとっても、食事を提供したり、機械のメンテナンスをしたり、掃除に入ったり、幅広い業種が関わっています。自動車関連かどうかに関係なく、影響を受ける業種は多岐にわたると考えられます。また、取引先ではありませんが、工場周辺の飲食業や不動産業などにも影響が及び、地域経済に影を落とす恐れがあります」(後藤課長)
帝国データバンクによると、ダイハツを頂点とするサプライチェーン企業の売上高は合計2兆2110億円(推計)に上るという。34年間の不正の代償はあまりにも大きい。