裏金疑惑で揺れる安倍派をなぜか援護射撃 旧統一教会友好メディア「世界日報」の狙い

公開日: 更新日:

 裏金疑惑でグラグラの自民党安倍派に、思わぬ“援護射撃”だ。

 旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の友好団体が発行する「世界日報」(18日付)が、〈安倍派報道の屈辱に負けるな〉とのコラムを掲載。安倍派に“エール”を送っているのだ。

 コラムは、〈連日、「安倍派の裏金」とメディアが報道することは、国内だけでなく国際社会にも少なからぬ衝撃を与えている><多額の政治資金不記載を「安倍派の裏金」と書かれる日本政治は、これが国際社会にいかなる国の損失をもたらしているか>と、メディアの「安倍派裏金報道」を牽制したうえで、安倍元首相を持ち上げ、岸田首相をこき下ろしている。

 安倍元首相の政策により〈日本の国の伝統、誇り、家庭の価値観を再認識することができた〉〈対外的には日本の存在感は質的にも高められていたのだ〉とする一方、岸田については〈自己の危機管理能力の欠如、また保守の政治勢力を貶め、政治に対する国民の信頼を失った責任を痛感すべきだ〉と批判。

 さらに、裏金問題で揺れる安倍派に対し、〈安倍元首相と安倍派の名誉にかけて、その遺志を受け継ぐ有志らによって再起し、日本国のために立ち上がらなければならない〉と、叱咤している。

 なぜ、このタイミングで安倍派を応援するコラムを掲載したのか。旧統一教会問題の取材を続けるジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。

「解散命令の請求以降、統一教会は岸田政権批判を強めており、その主張に沿った内容です。また、裏金問題で安倍派が弱体化されては困ることから、“援護射撃”のつもりなのかもしれませんが、むしろ、逆効果ではないでしょうか」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 2

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  3. 3

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  4. 4

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  5. 5

    金利上昇を資産運用に取り入れるなら…安定の定期預金、妙味は「銀行業ETF」

  1. 6

    日産の命運を握るのは…米投資ファンドKKRとみずほ銀行、そして元役員なのだ

  2. 7

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 8

    不二家、コージーコーナーも苦戦…街からケーキ屋が減っているワケ

  4. 9

    吉村府知事が語った大阪万博の「魅力」に失笑買い話題騒然!地方局TV情報番組で売り込み発言も具体性ゼロ

  5. 10

    小池都政が大混乱!フジと共催「お台場トリエンナーレ」開催見送りで注視すべきは“フジテレビとの蜜月”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  3. 3

    「65歳からは、お金の心配をやめなさい」荻原博子著

  4. 4

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  5. 5

    タモリが「歌う日露戦争」と評した圧巻の紅白歌合戦パフォーマンス

  1. 6

    高額療養費問題が参院選を直撃か…自民が噴出「立憲の凍結案のまざるを得ない」に透ける保身

  2. 7

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  3. 8

    西武・西口監督が明かす「歴史的貧打線」の原因、チーム再建、意気込み、期待

  4. 9

    松本若菜に「小芝風花の二の舞い」の声も…フジテレビ“2作連続主演”で休めない“稼ぎ頭”のジレンマ

  5. 10

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉