苦渋の決断の舞台裏「うまい棒」初値上げから1年半…やおきん営業企画担当者が明かす
国民的駄菓子「うまい棒」の定価が、1979年発売当初の10円から12円に引き上げられて早くも1年半が経った。
うまい棒を手掛けているのは、1960年創業の株式会社やおきん。「キャベツ太郎」や「蒲焼さん太郎」など、多くの国民に耳馴染みのある駄菓子を世に送り出している。
うまい棒の値上げ幅は「2円」だが、されど「2円」。そこに至るまでの苦渋の決断の舞台裏、駄菓子メーカーを取り巻く現状を、同社営業企画部の田中浩次さん(47)に話を聞いた。
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■20円、15円ではなくなぜ12円?
――値上げは昨年4月でした。
「発売開始から42年間、ずっと10円を維持してきたことに、こだわりとプライドがありました。しかし、昨今の物価高の影響はすさまじく……。以前、原料高に見舞われた際は内容量を調整することでなんとか対応できていましたが、今回は原料だけでなく、包装費や輸送費などすべてが値上がりしました。今回も減量の案も出ましたが、どれだけ減らすことになるのか。せっかく買っていただいた方をガッカリさせることになりかねません。また、10円で踏ん張っていても、ある日突然限界が来てしまう可能性もある。それならばしっかりとした品質で美味しく楽しく食べられる商品を維持しようと。断腸の思いで値上げを決断しました。15円や20円という様々な案がありましたが、最終的に12円に決まりました」