2024年春闘ヤマ場 相次ぐ「満額回答に反応冷ややか…安倍政権の「トリクルダウン」どうなった?
2024年春闘は13日、大手企業の回答が集中するヤマ場を迎えた。
各労組は物価高を上回る賃上げを目指し、基本給を底上げするベアを中心に前年超えの水準を要求。これに対し、経営側も人手不足を背景に早くから応じる姿勢をみせており、この日も満額回答が相次いだ。
とりわけ注目されたのが「トヨタ自動車」と「日産自動車」だ。トヨタ労組は定期昇給とベアに相当する「賃金改善分」として職種や職位に応じて最大で月額2万8440円を、日産労組は賃上げ総額の平均で月1万8000円を要求し、ともに一時金を含め満額回答となった。
トヨタの満額回答は4年連続。「満額回答」続出のニュースが報じられると、ネット上では《さすが世界のトヨタ》《最高水準の賃上げ要求も余裕のOK》《日産もやっちゃったね》などと好意的な声で溢れていたが、その一方でみられたのが、《その賃上げ分はどこからですか?》《我々から搾り取ったカネじゃないよね》といった冷めた投稿だ。
奇しくも公正取引委員会は3月7日、日産が下請け企業36社に支払う代金を不当に減額するなど、下請法違反(代金減額の禁止)が認められたとして再発防止措置を取るよう勧告したばかり。減額の総額は約30億円で下請法違反としては過去最高額だったことから、「満額回答」もこうした“下請けいじめ”によって捻出したのではないか、と一部で受け取られたようだ。