鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃
先週末、域内経済社会を震撼させる「2つの衝撃」が南九州の地を駆け巡った。鹿児島市に本社を置く老舗百貨店「山形屋」の実質経営破綻の表面化と、ゲーム大手のセガサミーホールディングス(HD)による宮崎市の大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」の“転売”だ。
山形屋はすでに事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請。主力行の鹿児島銀行の主導でDES(債務の株式化)など有利子負債の圧縮と資本基盤の立て直しを図って経営再建を目指す。一方、セガサミーHDは傘下のシーガイア運営会社の全株を5月末、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却する(その後新たに種類株を引き受け2割出資残す)。
とはいえ山形屋は2018年2月期以降、最終赤字が続き、昨年2月末には債務超過に転落した。シーガイアも1993年の開業以来、業績は底ばい状態。2001年の会社更生法適用申請後、「身売り」を重ねるなど流転の道をたどってきた。新たな売却先がファンドでは「更なる彷徨が続くのはほぼ確実」(メガバンク筋)で、いずれも再建の行方は「限りなく不透明」(同)と言わざるを得ない。