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中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

いまの日本は“複合物価上昇”…「良い物価上昇」と「悪い物価上昇」が入り交じる

公開日: 更新日:

 物価上昇は2種類ある。好景気で消費者物価が上がる「良い物価上昇」と、不景気なのに円安で原材料価格が上昇し、輸入物価の上がる「悪い物価上昇」。いまの日本はこれらが入り交じる「複合物価上昇」に見える。

「失われた30年」の間にハンバーガーはパン生地が小さく薄くなり、具材も少量となったが値上げされた。回転寿司はネタが薄くなった気がする。スナック菓子の袋は空気の量が増え、板チョコは薄く……そんな「ステルス値上げ」も多い。

 郊外から都心に向かう通勤電車。定年延長・嘱託なのか白髪の高齢者が散見されるが、シルバーシートには若い男性が眠り、一般席は皆スマホに熱中し、前に立つ高齢者に席を譲る気配もない。失われた30年の間に高齢労働者が増えたが、お年寄りへの「思いやり」は減少し、人心は荒廃したようだ。

 ニュースでは物価上昇を受け「デフレ脱却」と伝える。日銀は異次元緩和を終了、東証プライム市場(大企業)の業績は過去最高益と報じられるが、生活者に厳しい物価上昇がもたらす好決算なら、「好景気の物価高」ではなく「不景気の物価高」に見える。

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