著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

陸運再編の焦点は「最大手のNXHDとヤマトHDがどう動くか」に移った

公開日: 更新日:

「桃太郎」vs「飛脚」の争奪戦──。陸運業界関係者らの間ではこう呼ばれている。いずれもそれぞれ輸配送のサービスブランドなどとして使われているためだ。

 冷蔵・冷凍などの低温物流に強みを持つ東証プライム上場のC&Fロジホールディングス(HD)に対し、5月2日から1株3000円でTOB(株式公開買い付け)を実施している「桃太郎」便のAZ-COM丸和HD。これに割って入ったのが、「飛脚」の佐川急便を中核とするSGHDだ。今週3日からAZ丸和を大幅に上回る1株5740円でC&Fへの対抗TOBに乗り出した。

 後出しじゃんけん。相手が「グー」を出しているのにわざわざ「チョキ」や「グー」で応じるバカはいまい。SGHDからすれば「至極まっとうな戦術」(金融関係者)だが、それにしても1株5740円とは思い切り吹っ掛けたものである。

 AZ丸和がC&F買収の意向を最初に表明したのは3月21日。SGHDの提示額は、当日のC&Fの終値2041円に180%超ものプレミアムを乗せた金額だ。C&Fの発行済み全株を買い付ければ総額は1237億円にものぼる。3月末のC&Fの純資産の2.64倍。同社経営陣がSGHDの買収提案に賛同を示していることもあり、市場では「もはや、勝敗は決したも同然」との声が圧倒的だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース