電気代は3月と6月で月々“約1200円”の差が…値上げで電力株は買いなのか?
いまの電力株上昇は限定的
電気代の値上げは、個人消費にとって確実にマイナスの影響です。東京電力の標準料金の試算では、3月と6月を比較すると、月々約1200円の差があります。猛暑が続けば消費電力が1.5倍になることもあり、個人消費の負担は間違いなく増えるでしょう。これから訪れる猛暑の時期に電気代を削減することは難しいですから、消費が鈍るなどの悪影響が生じる可能性があります。
今回の値上げは、政府による電気代の補助金が終了したためで電力会社の収益体制自体は変わっていません。株価が上がるのは通常、企業利益が増加した場合ですが、今回の値上げはそれとは異なります。むしろ、円安や資源高により火力発電の原材料コストが上がることもあり得ますから、その状況を踏まえると電力株が買いとはいえません。
ただ一方で、電力株の株価指標を見ると、PBR(株価純資産倍率)が1倍にはるかに届かない銘柄も多く存在します。このような割安な銘柄に対して、海外の投資家から「割安株」として買われる可能性があります。しかしこれはあくまで割安さゆえの買いだと理解しておくべきです。