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平野貞夫元参院議員

元参院議員。1935年生まれ。高知県出身。衆院事務局に入局し、園田直副議長の秘書、前尾繁三郎議長の秘書を務める。

野党議員も気にせず機密費を受け取り「礼状」まで書いていた

公開日: 更新日:

 昭和51年に発覚したロッキード事件の後、国会は与野党伯仲時代となる。私は昭和55年7月に、衆院議院運営委員会を担当する総務課長となる。それから平成4年2月に委員部長で退任するまでの10年間、激動する国会運営のドブネズミになったりナマズになったりした。内閣機密費と国会との不浄さを知り尽くした。

 与野党はもちろん、内閣、マスコミなどにこき使われるようになる。昭和60年になって、中曽根内閣の時だった。「この野郎」と思い、依頼されたこと全部ではないが「日記」をつけて大要を残し、いつか「恨みと仇」を晴らそうと計画した。それが「平野貞夫・衆議院事務局日記」(全5巻・信山社)だ。

 その中に、議院運営委員会の海外出張で、後藤田正晴内閣官房長官から機密費が出て、それを巡る議員団の秘話がある。内閣機密費と国会の当時の関係がわかりやすい。

 昭和62年の第108回国会で、中曽根内閣が「売上税法案」を強行採決しようとして、それに失敗し、新しく「税制改革協議会」を設けて、本格的な税制改革に着手しようとしていた時だった。野党対策が重要課題であった。

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