自民「抜け道なら何らか対応」の今さら…武見厚労相も悪用した「脱法オンライン・パーティー」続出確実
「抜け道と言われれば、そうなる可能性があります」──。自民党の裏金事件を受けて19日に成立した改正政治資金規正法をめぐり、同党の田村憲久政調会長代行が23日のフジテレビ番組で、そう開き直った。先の「裏金国会」は裏金づくりの温床になった政治資金パーティーの規制が争点だったのに、成立した途端にコレだ。
改正法はパーティー券購入者の公開基準を「20万円超」から「5万円超」に引き下げたものの、パーティー開催に回数制限はない。回数さえ増やせば、従来通り政治資金をガシガシ集められる。
この抜け道について、田村氏は番組で「(実際に人を集めた)リアルなパーティーをやらなきゃいけないので、大変な負担が政治家の方にもかかる。今までみたいにはいかないと思います」と反論したが、手ごろに開催回数を増やせて、かつ、公開基準にも引っかからない抜け道もある。コロナ禍で広がったオンライン・パーティーだ。
「オンラインなら開催側の負担が軽い上、政治資金パーティーともみなされない。規正法を所管する総務省によれば、『人を集めずにオンラインだけで開催するものは、人を集めて行う催し物と解すことはできない』。つまり、『オンラインなら政治資金パーティーではない』という解釈です。したがって収入明細の記載も必要ないし、パー券購入150万円の上限規制もかからない。政治資金パーティーよりも簡単に裏金をつくりやすい悪質な仕組みが残されたままと言えます」(政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏)