累積赤字は膨れ上がるばかり…官民ファンドは第三セクターの二の舞か
国土交通省が管轄し、企業の海外インフラへの投資を支援する官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構」(JOIN)は、2023年度決算で799億円もの巨額損失を計上した。
損失の主因は、米テキサス州での新幹線建設事業とミャンマーの都市開発事業の失敗だ。新幹線建設事業では米国企業に出資したが、地元の事情などもあり先行きが不透明として417億円を損失計上した。
また、ミャンマーの都市開発事業は国軍のクーデターで中断し、179億円の損失が出た。「JOINの累積の赤字額は1000億円近くにまで膨らむとみられている。総額約2500億円の投融資額のうち、約4割が回収不能という惨憺たる結果だ」(メガバンク幹部)という。
さらに、7月1日には、JOINがブラジル・リオデジャネイロ州で進めてきた鉄道事業の現地法人が破産手続きに入ったことが明らかになった。出資額のすべて81億円が毀損した。同事業も国土交通省の管轄で、政府と三井物産、JR西日本も出資していた。
■14ファンドが活動も…