石破首相と賃貸業界団体の深い関係…就任1週間で面会した“唯一の民間人”とは

公開日: 更新日:

 議員連盟はこうした業界団体とも連携し、家賃の消費税非課税化、定期借家権制度導入を実現してきた。また、東日本大震災時に「みなし仮設住宅」制度を創設、7万部屋の民間賃貸住宅を被災者に提供し、その後の被災地でも同様の支援を可能としてきた。

■業界の悲願「借地借家法の見直し」なるか

 では、石破政権ではどんな課題に取り組もうとしているのだろうか?

「業界側が期待するのは、ちんたい政連も提言する借地借家法の見直しです。戦前・戦後の住宅不足時代に制定された法律で、借りる側の権利が強い。今は3カ月以上の家賃滞納がないと大家から裁判も起こせません。そのため、入居審査や保証人の条件を厳格化せざるを得なくなり、市場がいびつになっています。ここにメスを入れるのは業界の悲願です」(業界紙記者)

 もちろん、ことは単純ではない。諸外国では、不況時に家賃滞納者の強制退去が増加し、ホームレス問題や治安悪化を招くことが問題視される。つまり、借地借家法の大幅な改正は日本社会そのものに影響を与えかねない難題で、多くの反発も予想されるのだ。

 しかし、冒頭の面会以降、石破政権は衆院選で敗北し、政権運営は難しい舵取りを余儀なくされそうだ。難題に取り組む余裕はなく、不動産業界の悲願はまたも遠のいたとみられる。

(ニュースライター・小野悠史)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に