MIXIの新アプリ「mixi2」の課題…ユーザーの居心地よさと収益確保の両立は実現できるのか

公開日: 更新日:

個人の思い込みを増長させる懸念も

 こうした状況でリリースしたのがmixi2だ。旧mixiで好評だった完全招待制を復活させたほか、タイムラインはXのようなレコメンド(おすすめ)された投稿ではなく、ユーザー自身のフォローを前提にする。レコメンドはユーザーの興味に近い投稿を、SNS側がおすすめとして表示する機能。スマホの視聴時間を延ばす効果がある。しかしSNS依存や、政治的なテーマなどで個人の思い込みを増長させる懸念も指摘される。

「近年のSNSはレコメンドによる情報選別で、ユーザーが心理的に不安になる場面が増加しています。プライバシーの問題も不安の要因にあると考えています」(MIXI広報)

 アクセス履歴を「勝手に」利用してレコメンドしてくる機能には、プライバシーを侵害されたと感じるユーザーも多い。とはいえ、「不安や不満を感じさせないためにレコメンド機能を外すとユーザーの滞在時間は減り、広告表示が減るというジレンマがあります。ユーザーにとって居心地のよさを目指すmixi2が収益性も担保できるのか」(IT業界関係者)という声も。

 レコメンド慣れしたユーザーのSNS疲れを解消しながら業績を改善するのは至難の業だ。

(ライター・山口伸)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  2. 2

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  3. 3

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  4. 4

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ

  5. 5

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  1. 6

    牛丼大手3社は明暗クッキリ…圧勝「すき家」擁するゼンショーHDの強みは海外のすし事業

  2. 7

    オーバーツーリズムに住民の我慢も限界…政府は「訪日観光客6000万人」目標も現場の実情とは大きく乖離

  3. 8

    大阪・西成には1泊100万円超の民泊が登場 中国人経営者が次々参入狙い

  4. 9

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  5. 10

    斎藤元彦・兵庫県知事にくすぶり続ける公選法違反疑惑…渦中のPR会社メルチュの「請求書」と「見積書」で違う印影が

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか