注目される日銀の出口政策…次は時価約74兆円のETF(上場投資信託)の出番だ
いま日銀が保有株を継続して市場で売却していることをご存じだろうか。
かつて金融危機の際に、日銀は金融機関から株式を買い取り(簿価で約1.35兆円)、2016年4月からそれらの株式(時価約2.6兆円)の売却を始めた。当初は時価ベースで年間3000億円の売却を進め、10年後の26年3月末までに処分する計画だったが、売却は予定より早く進み、今夏にも完了する見通しだ。
これに連動し、次は日銀が保有する時価約74兆円のETF(上場投資信託)の処理に関心が集まっている。国会で、野党がETFの配当を子育て政策の財源に回すよう主張していることもあり、注目されているのだ。
15年前、白川総裁時代に始まったETFの買い入れは、株式市場の下支えの役割を担い、黒田総裁時代にどんどん規模が膨らんだ。日銀が保有するETFは簿価で約37兆円、時価約74兆円と巨額なものとなった。植田総裁になり、昨年3月でETFの購入は終了している。これからはその処分=出口政策となるわけだが、どう処理されていくのか。市場に与える影響が大きいだけに個人投資家はポイントだけでも押さえておいてほしい。