トランプ関税で投資環境は不透明だが…日本の高配当ファンドはがんばっている
トランプ関税によって世界経済の先行きがますます不透明になる中、資産運用には厳しい状況が続いている。新NISAをきっかけに投資を始めた人は不安が募っているだろう。実際の積み立て投資の成績はどうだったか。
人気投資信託のeMAXIS Slimシリーズで過去1年の実績を見てみよう。全世界株式(オール・カントリー)は▲0.2%、S&P500は▲1.5%、日経平均は▲3.3%と厳しい状況だ。国内外の株式、債券、不動産など8資産に均等投資するバランス型も▲0.3%で分散投資効果もあまり期待できない状況だ。
■リターンはプラス3.7%
こうした環境の中で比較的高いリターンを出しているのが、日本の高配当株ファンドだ。たとえば、インデックスファンド日経平均高配当株50(奇数月分配型)に過去1年積み立て投資した場合のリターンはプラス3.7%だ。この投資信託は「日経平均高配当株50指数」に連動する商品。日経平均株価を構成する銘柄のうち配当利回りが高い50銘柄で構成される指数で、JT、武田薬品工業、日本製鉄、ホンダなどが組み入れられている。毎年6月末に銘柄入れ替えが行われ、24年6月末はENEOS HD、三井物産などが除外され、日立建機や丸井Gなどが採用された。このところ株主還元を強化する日本企業が増え、増配を実施する企業が目立っていることも影響していると考えられるが、長期で見ても高配当株の優位性は変わらないようだ。