「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大
「食品の安売りで集客し、薬で利益を出す」といわれる業界最大手のウエルシアでも、食品類は24%であり、クスリのアオキHDの食品販売は突出している。ちなみにマツキヨココカラ&カンパニーは化粧品販売が主力で、食品の売上高は11%しかない。
「業界内で差別化を図るため2010年代から食品販売を強化してきた。近年では『フード&ドラッグ』を標榜し、近隣のスーパーもライバル視している。ベーカリー機能を持つ店舗もある」(同)
■地場スーパーがアオキにのみ込まれる日
店舗数増大は主に新規出店によるものだが、地場スーパーのM&Aも進めてきた。金沢市でスーパー5店舗を展開するナルックスの買収を皮切りに、20年以降、M&Aを加速。地盤の北陸や関東、東北などでスーパー数店舗を展開する事業者を毎年買収している。買収先の店舗を「クスリのアオキ」に転換するほか、食品の仕入れや販売のノウハウを吸収する狙いもある。
「大手の台頭で小規模スーパーは厳しい状況にある。仕入れ力は弱いし、人手不足でも資金力が乏しいのでセルフレジは導入できない。一方で事業売却すれば、まとまった現金をオーナーは入手できる。先行きが不透明な状況では、経営陣も事業売却を選びがちです」(M&A仲介業関係者)