著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「戦時のモラル」は平時に生きる上で苦しみや悩みに転じる

公開日: 更新日:
日常の倫理観は一変(日本軍は太平洋戦争早々当時米国領であったフィリピンに侵攻、レヒドール島の敵トーチカを攻撃する日本軍火炎放射部隊)/(C)共同通信社

 戦争体験世代が少数になるにつれ、戦争の真の怖さは拡散していく。一口に戦争体験といっても、戦場体験、引き揚げ体験、被災体験、飢餓体験など、その範囲はかなり広くなる。

 個人の感情、立場などでも体験の受け止め方は異なる。そうはいっても、戦争体験という言葉に共通点はある。それは…

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