著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

突入したのは訓練もろくに受けない学徒と少年飛行兵だった

公開日: 更新日:
飛行服に身を包み、出撃前の打ち合わせをする特攻隊員ら(1944年12月)/(C)共同通信社

 木更津での飛行部隊での指揮官を集めた会議で、特攻作戦に異を唱えた芙蓉部隊の指揮官・美濃部正は、軍法会議にかけられることはなかった。むしろ1航艦の司令長官の大西瀧治郎から、一晩語り明かそうと彼の部屋に呼ばれた。大西はまだ30代に入って間もない美濃部に心中を明かした。2人は酒が飲め…

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